医師と患者
医歯薬の業界に携わっていれば、おのずと医師との関わりの下で患者へのコミュニケーションを確立させていくことになります。
医師は基本的に患者への効果的な治療を下す権限が与えられる立場であることから、自分が医療人として上手くやっていくためには医師との連携を重んじる風潮が生まれてくるのだろうと考えられるのです。医師との連携でしか生み出すことのできない患者への最適な癒しの力を提供していくことが、医療人としての使命であるということを肝に銘じるべきなのです。
医師の指示によって医療の現場が大きく一変するため、医師として患者と関わっている人は、自分が置かれている立場の重さを感じながら最終的な判断を下していることがうかがえてきます。医師として患者への手術を施すことで、医歯薬をけん引していく歯車として機能しているのだという名誉を感じる一方で、患者への手術で医療ミスが許されないという緊張感も抱いていることでしょう。
ある日突然、銃撃戦の果てに重傷を負ったヤクザだと考えられる方を手術することになる場合があると思います。本来、反社会的勢力だとされるヤクザの人を、自分の手で救うことになるなんて信じられないと感じている医師もおられるでしょう。仮に、患者として目の前に横たわっているヤクザの人を救ったところで、また社会に迷惑をかける存在として世の中にはびこることになるといった疑念が生じてきても不思議ではないと思うのです。
しかし、人の命を救う医師としてできることは何なのかと考えたときに、どのような人であれ生きる権利が与えられているのだという大義名分の下に、医師と患者という関係性がある以上は、その患者に対して最善を尽くさなければならないのです。